第15章 変化
燭台切「竈のことだよ。布を被されていたから使われてはなかったんだろうけどあっちも使おうかなって思ってる。やっぱり大所帯だと竈の方が多く作れたりするからね」
「か、かまど……あったんだ。じゃあこのお赤飯も……」
燭台切「あ、それは炊飯器で」
「…………そうですか」
そもそも審神者の就任祝いかよくわからないけど、宴会の席を設けてなぜ私がお赤飯を食べることになっているのだろう。
祝い事に赤飯って出たっけ……おめでたい日に出てるなって印象しかない。
「何となく気になったのですが……なぜ赤飯?」
燭台切「あぁ、三日月さんが主の進級祝い……大人になったからって言って炊いてほしいって言ってきてね」
進級……心当たりがあるとはいえ、あれを進級とは言わないしお祝いなんて必要ないと思うのは私だけなのだろうか。
大人になったって……ちょっとお怒りモードになりそうだ。
長谷部「主、これを」
「ん?…………あ、ありがと……長谷部は優しくていい子ね」
後ろを見ると長谷部がいて他の料理でも持ってきてくれたのかと思ったがお碗には大量の肉、肉、肉。
きらきらと瞳を輝かせて褒めて褒めてと目が訴えてきていたので肉山盛りお碗を燭台切さんに渡してから手を伸ばして長谷部の頭を撫でる。
長谷部「あ、主ぃっ……」
「あーはいはい、主はここにいますからね。もう黙っていなくならないからねー」
私が政府の人に会いに行ったという話を聞いた人達のなかでごく一部、置いていかれた捨てられたとショックを受けていたものがいたようで私はその一部の人達を甘やかすことになった。
長谷部もその一人だ。
「私はちゃんとここに座ってご飯食べてるから、長谷部もちゃんと食べてお部屋で寝んねしようね?」
長谷部「主命とあらば!」
素直だなぁ……。