第13章 甘い香り ☆
三日月「主…ッ……こっちだ」
無理に腕を引かれ近くの部屋に二人で入ると三日月さんに抱き締められた。
意識が遠くなりそうなほどにつらくて私は三日月さんの服を強く握り落ち着こうとしたが、簡単には落ち着けもしないし身体の熱も冷めてくれない。
「み、かづきさッ…あ、つい……よ」
三日月「はは……っそれは同じのようだ」
顔をあげて三日月さんのことを見ると私同様、頬は火照りどことなくつらそうにすら見えた。
なぜこうなったのかは自分でもわからない。
だけど、今の私の存在はとても危険というのは自分でも理解できた。
「三日月さッ……出て……部屋から出てッ…ください……」
私ができるのは迷惑をかけないよう一人でいることだ。
三日月「それは……聞いてやれんな」
「はっ……だ、だめですっ……お願い、ですからッ…く、ぁッ…」
どくん、とお腹の下辺りが熱くなるのを感じると今度は立っていられずそのまま崩れるようにして座り込んでしまうと服を掴んでいたままだったのもあり三日月さんの衣服は乱れてしまう。
自分で状況を悪化させては意味がないのに今は立つことも話すこともできなくなっている。
三日月「つらいなら無理をするものではないぞ……?」
「ぅ、あッ…む、りぃッ…」
三日月「そんなにつらいのなら俺に任せるといい……ッ…」
同じ目線になるよう三日月さんも座ってくれ器用に私の服を脱がしていく、同じようにつらいのなら……されるがままというのもよくないように思え私も同様に三日月さんの服をゆっくりと脱がそうと試みた。
着物というだけあり結構簡単であったが震える手ではうまくいかないこともあって中途半端なものになったが上の方はうまくできずとも下を脱がすのは紐を取るだけで簡単だったが、それ以上は手を動かすこともできなかった。
三日月「……主の肌は、至るところに赤い痕が残っているな」
「っ……い、ろいろあって」
三日月さんの言葉にそう返すと肩から腕、指の先まで触れて小さく笑う。
軽蔑されるかもと考えなかったわけではないが三日月さんはどこか楽しそうに私の肌を撫で続けた。