第10章 反省
歌仙「ん、ぅッ…あれ」
「あ、起きましたか」
歌仙「……君は確か……何してるんだい」
「私情があって目を隠してます」
歌仙さんが起きたようなので目元を手で覆ったまま足元を見ながら近づいてそばに座る。
目を隠しながら会話って失礼すぎるな。
「……腕が疲れたのでやめておきます」
歌仙「そ、そう……ここは……」
「お部屋ですよ。部屋割りとかしてないので誰の部屋ってことでもない普通の部屋です」
もう、部屋割りとか面倒だから各自好きなところを選んでもらった方が楽なんだよね。
職務放棄というのもできないから、確認回りしていいか、ダメかくらいは決めた方がいいかな。
歌仙「なんでここに……確か、お風呂に入っていて、君と話して……」
記憶が曖昧に、か。
なら、無理に思い出してもらわない方がお互いのためになるだろう。
「……私が出た後、なかなか歌仙さんが出てこないので様子を見に行ったらのぼせていたので、堀川くん達に手伝ってもらってここに運ばせていただきました」
歌仙「そうだったかな……」
「歌仙さんは、お風呂でのぼせただけですよ。なにも見てないしのぼせただけ」
歌仙「やたらとのぼせたことを、おしてくるね……じゃあ、そういうことに……」
よし。
兼さんはまだ眠っているからうまいこと歌仙さんを部屋から出してしまえばもし、兼さんが覚えててもわざわざその事で盛り上がるようなタイプでもなさそうだし……時が経つのを平和的に見守らせてもらおう。
でも、部屋から出すにしたって顔色がよくないように見えるしもう少し休ませてあげたいな……。