第10章 反省
「うーん……ん、誰か……いる?」
スマホを片手に悩んでいると鯉に餌をやっている人影が見えた。
誰だっけ……薄暗いけど、なんか頭から布を被って……あ。
「まんばくーん!」
山姥切「……」
聞こえてないのだろうか。
どこかに草履を忘れてきてしまったので裸足では外には出れない。
もしかしたらまんばくんじゃないのかもしれない……でもあのシルエットはまんばくんっぽいからなぁ。
「おーい、まんばくーん!」
あ、気づいた。
こちらを見た、まんばくんにやっぱり合ってたとほっとするがすぐに顔をそらされた。
だが、すぐにこちらを向くと近づいてきてくれ……
山姥切「薄着で歩くな……」
「え、そこなの……えっと、ごめんなさい……?」
山姥切「……ここでなにしてるんだ」
「政府の人と電話してたの……こんないいところを引っ越し場所として用意してくれたこととかお礼を言いたくて」
山姥切「あんた……変わってるな」
「ほめてくれてるのならありがとう。まんばくんは鯉に餌をあげてたのかな?」
暗闇でも月明かりでまんばくんの姿が見えるのだが……本当に美しいな。
きれいで美しくて……。
山姥切「……その、まんばくんっていうのは……」
「山姥切君ってちょっと長いからまんばくんが呼びやすいかなって……いや、かな」
山姥切「構わない……」
初対面のとき、助けてもらってから会話などもたいしてなかったので苦手意識を持たれてるかなと思っていたがこうして話している分にはそんな感じはしない。
クールなだけで優しい感じはする。