第10章 反省
「二人が倒れたのは私が原因、なんだよね……」
うちわで扇ぎながら二人に風を送るも、少し扇いだだけで腕が疲れてしまった。
二人には悪いことをしてしまったわけだし、申し訳ないと思うのならお腹が空いてても我慢するしかない……と、考えてはいても……ね。
「……反省することは他にもあるんだよね」
引っ越しのことも、もっと早くに政府の人にお願いしていればスムーズに進められていたのに挨拶と手入れ回りばかりして倒れて……効率が悪すぎた。
本当は引っ越しなんてせずあの本丸をきれいしてやっていきたかったが、いい思い出のない場所にいたって心が癒えることはないだろうし、あんな汚れきった場所に滞在するのは心身ともに疲弊してしまって今ごろ生きた屍となっていても不思議ではないな。
引っ越ししたことを後悔はしたくないのだが、新しい場所だからこそ1から始められる場所でうまくやりたいのにうまく、できない。
頑張りすぎはよくないと言われたからそれは今後気を付けることにはするが……
「まだ安定してないんだよね……」
私を信じてみようと思うものもいればまだ信用できないと距離をおくもの……それをひとまとめにするのに私は頑張らないといけないんだ。
器用じゃないから時間がかかりそうだけど。
「とりあえず政府の人に引っ越しのお礼とかいろいろやらなきゃ」
二人が気持ち良さそうに眠っているので起こさないために部屋からでると綺麗なお月様が見えた。
今日は……三日月、か。
三日月、宗近……美しくも儚い…そんな雰囲気のある人だった。
今は思い出さない方がいいな、また……変になったら困る。
私はスマホから政府の人に電話を掛けた。