第10章 反省
加州「ねぇ、主……気になってたんだけど……その首の痕、誰につけられたの?」
「……あえて聞かないでほしかった」
大きなシャツ一枚で首筋の痕を隠せるわけがない……うん、わかっていた。
タオル一枚でいたときから見られる覚悟はしていたが、まさか指摘されるとは思わなかった。
さっき鏡で見て思ったことだけど、赤い跡だーすっごーい!ってな感じではなく内出血でも起こしてるのか、と思える見た目だったから私からしたら結構グロッキーな痕なのだ。
それを見られたとなると…ね。
長曽祢「そんな野暮なことを聞くもんじゃないぞ清光」
加州「だって、主は俺のなのに!」
堀川「それで誰を喰ったんですか?」
「私が襲ったみたいに言わないでくれないかな?この痕は、誰がつけたかは言えない。でも未遂だから。私は、えっと……乙女、というか…ッ…生娘、ですので」
首筋の痕のことを考えてもそういうことをした、と思われていそうなのでそこだけは訂正しておきたいところだった。
ギリギリなところまで流されてはいたが私はまだそういうことをしていないのだ。
特に清光の誤解は解いておきたい。
こういう子ほど暴走したら怖いって聞くからね。