第9章 お風呂でバッタリ
「私にもできるのかな……」
手入れや挨拶はそれなりに終えたし、あとは心のケアだろう。
専門知識もないので無茶なことはできないが……どうしようか。
まあ、考えていても仕方ないし行動あるのみかな。
そう考えているとなにか音が聞こえた気がした。
無人というわけでもないのでどこからか音が聞こえても不思議ではないのだが、近かったような……
ま、まさかお風呂に入りに来た人が……やばい、お風呂にタオルなんてマナー違反かと思ってなにも持ってない。
お湯は透明だし隠れる場所なんて……ない!
普通に裸を見られるだけでも女子としては恥ずかしい限りなのに私の今の身体は……湯気で何とかならないだろうか。
そもそも脱衣所に誰かいるわけでも……
引き戸の音が聞こえると誰かが浴室に入ってきたのがわかった。
気のせいで終わらせたかった。
もしかして燭台切さんがなにか伝え忘れて戻ってきたとかあり得ないだろうか。
いや、それなら浴室に入る前に声をかけてくるだろうから違うか…。