第9章 お風呂でバッタリ
「あ、あの燭台切さんっ…ッ…!」
燭台切「それで、主は……僕と一緒に入りたいのかな?」
「え、あッ…その……」
ど、どうしよう。
燭台切さんに壁ドンをされ、逃げ道を失っている私。
叫べば誰か来るかも……とは考えたが、燭台切さんを悪者みたいに思われたくないために叫ぶなんてことはしたくなかった。
そもそもジョークでも男性にそんなことをいった私に原因があるのだから……
燭台切「君から一緒にお風呂に入ろうだなんて誘われたのは驚いたけど、それは僕だから言ってくれたって思ってもいいのかな?」
「ッ……あの、それは……」
燭台切「僕だって男なんだよ。君にそんなこと言われてなにも思わないわけないでしょ」
や、やばい。
ジョーク一つでとんでもない事態に……だけど三度目は流されないと決めたんだ。
ここは心を鬼にしてでも切り抜けることを……
燭台切「主……お風呂に入るのなら、これは脱がないといけないよね?」
「………………へ?」
燭台切「まだ本調子じゃないようだし、僕が手伝ってあげるよ……」
袴に手をかける燭台切さんに本格的にやばくなってきたことを悟れば、みるみるうちに顔は赤くなってまた、息苦しくなる。
これ、やばい。
突き飛ばす?いや、力から考えてもそんなことできない。
ならばやはり大声で……無理だ。
ここは部屋から離れた場所にあるから運よく近くを通っている人がいないと誰も気づかない。
なら、最後は…………。