第8章 お引っ越しをはじめよう
「一応、引っ越しは終えてるんだよね?みんなの転送と……物はなにも持ってきてないと思うけど」
燭台切「あぁ、実は……ちょっとこっちに来てくれる?」
「ん、いいよ。あれ……」
燭台切さんの後ろをついていくも、ふと……やたらと光輝くものを身にまとっている薄紫色の髪をした……美人さんが遠くに見えた。
あとは……少年?らしき子ともう一人……男の人が……
燭台切「主、何か見つけた?」
「あー……ううん、何もない行こう行こう」
知らない三人の刀剣……挨拶できる機会はあるだろう。
今は先に燭台切さんについていくことを優先しよう。
……本当に、ここ広いな。
何度言ったって足りないくらい広い。
空気も清んでるし、なんか池に鯉が泳いでるし……
燭台切「なんだか、嬉しそうだね?」
「そうかな?……うまく言えないけど、ここ好き……穏やかでほっとする」
燭台切「そっか……あ、ここだよ」
燭台切さんに案内された場所は一つの部屋だった。
襖をあけてみるとそこには……
「だ、ダンボールの山……えっと…………乾パン」
燭台切「蔵においてあったものも転送してくれて、置くところがないから一時ここに……」
「うわぁ、あっちには鯖缶って……あっちには水、は使えるとして……非常食がたくさん。あって困るものではないけど、これは多いね」
燭台切「ここにも蔵はあるからそっちに運ぼうとはしたんだけど、結構物があって……」
あくまでも中古物件、ということか。
詳しい話は聞いてないが家具もあったし引っ越ししたというわけではなさそうだ。
審神者の任を解かれたか、それとも別の……考えない方がいいだろうか。
政府の人にも深入りはしないようにと前々から言われていたし、それが審神者同士のことでも……同じだろう。