第8章 お引っ越しをはじめよう
「……広すぎるね」
燭台切「最初は僕も驚いたけど、慣れるしかないからね……」
「最上位の本丸って感じがして……住むのが恐れ多いくらい……あ、そういえば夕飯って……乾パン?」
燭台切「いや、素麺だよ」
……そうめん?
「春なのにそうめん……早くない?」
燭台切「あの、政府の人が引っ越し祝いだってたくさん置いていってね……つゆも一緒に」
引っ越ししたばかりで手の込んだ料理はできないだろうし、いきなり豪華なものを食べても身体が驚いて胃痛とか訴える人が増えたかもしれないからそうめんでいいのかもしれない。
時期的には、まだそうめんは早い気もするけど……春だし
燭台切「まだ肌寒いからね。冷やし素麺は早いと思ってにゅうめんを作ってみたよ」
そうめんは食べたことあるけどにゅうめんか……どちらもそうめんではあるが、にゅうめんは食べたことがないので楽しみだ。
にゅうめんを作るということは……あぁ、そっか。
ガスとかじゃないもんね。
薪で何とかしたりする時代だったよね……たぶん。
「あ……部屋割りを早く決め…………今日は好きなところで寝てもらおうか」
燭台切「これから決めるとなると大変だからね……君はさっきまでいた部屋で寝起きしてくれたらいいからね」
「え……もしかして寝てばかりいる私だけ一番に部屋を割り振られたの?」
燭台切「あそこが審神者部屋って教えてもらったし……主は……」
「……すぐ寝ちゃうもんね。うん、ありがとう嬉しい」
欲を言えば、もっとこう……障子を開ければ小さな池が見えてそこには鯉が、みたいなのを期待していたり、なかったり……贅沢は言えないけど。
なんか、本当に言葉にしがたいくらい……広い。