第1章 始
~三十分後~
加州「主、大丈夫?」
「だ、大丈夫……初めてしたことだからちょっと疲れただけ……こんのすけー!」
こん「お呼びですか主様!」
物陰からひょこっと現れた狐にいったいどこから、なんて気にはなったがいまは気にしないでおこう。
「えっと……手入れのことなんだけど資材がないと通常の手入れができないでしょ?だから手から力を注ぐ、みたいなやり方がいいと思ったんだけど……結構疲れるからあと、三人くらいでバテそうなの」
こん「その他にも一つ手入れを行う方法はございますよ!」
「政府の人にもあるとは聞いたんだけど……教えてもらえなかったんだ。それって危険なことなの?」
こん「接吻でございますよ主様!」
……ん?
せっぷん……?
えっと、なんだっけそれ。
加州「せ、接吻って!」
「私が知ってる限りではキス、とか……ち、違うよね?」
こん「大正解でございます!他の言い方は口吸いや接吻など、とにかく口から霊力を送り込むのが良いかと」
楽しげに話す管狐に悪気はないのだろうとわかっていても、ちょっと複雑な気持ちになる。
うわぁ、まじか。
でも口から霊力を送り込むっていうのは回復するためには手っ取り早いのかもしれないけど。
私は清光のことを見ると頬を赤く染めてもじもじし始めた。
どうしよう、すっごい可愛い。
「一番疲れず、より多く手入れができるのは?」
こん「通常の手入れとなりますね。その次は接吻となります」
「手を翳して傷を癒していくのはやっぱり……」
こん「時間がかかる他、とても疲れるかと」
資材がない以上、より多くの刀剣を癒すためにはキス……。
ファーストキスもまだっていうか、一応ここにいる子達は男で……美男子ばかり。
クラスメイトのようにイケメンひゃっほーいな性格ではないけど、清光でこんなにもドキドキしてしまうのに他の人とキスなんて心臓持つかな?