第6章 お引っ越し計画
「……と、いうわけです。必要なものなどは手に持てる程度なら一緒に転送してもらえるはずなのでその辺りは各自に任せます」
蛍丸「はーい、質問いいですかー?」
「なにかな?」
蛍丸「なんで抱き上げられたまま?」
「……下ろしてもらえなくって」
政府の人との電話を終えたあと、長谷部と共に大広間にいったのだが、みんな集まって待っててくれたのは嬉しい。
殺気もないし、話しかけてくれる子達もいて嬉しい限りなのだが……立ち上がることもできない私に長谷部は下ろしてくれないのだ。
みんな座って話を聞いてくれているんだから私も座って話そうと思っていたのだがなぜだか下ろしてくれない。
「と、とにかく引っ越しについて反対なものは挙手を!……い、ないね」
加州「今まで我慢してきたけどさ……どこの部屋も汚いし臭いし至るところ底抜けとか腐ってたり……もう耐えられないし」
乱「もうあんな湿っぽい場所で寝起きするのはいやだよ」
?「ここにはもう酒もないしねぇ」
……女性陣らしき三人が不満をいってくれる。
一人美人さんがいるが知らない人だ……大きな美人さん。
「じゃあ、政府の人が引っ越しを手伝ってくれるらしいからそれまで待機でお願いします。そして、長谷部は速やかに私を下ろしてください」
長谷部「なぜですか!」
「恥ずかしいからよ!あと、いつまでも抱っこしてもらうのは罪悪感が半端ないから本気で下ろして」
長谷部「っ……主命、とあらば」
すっごい、いやがってる。
抱っこフェチみたいなものでもあるのだろうか……。
しぶしぶ下ろしてくれたがまだ足に力が入りづらく気を抜いたら足がカクンとなりそうだった。
一歩、二歩と歩いて慣れようとすれば……
「うわっ!」
?「っ……!」
片足の力が抜けてバランスを崩した私を抱き止めてくれたのは……