第6章 お引っ越し計画
「いきなり言われても荷造りとか……」
『刀たちは身一つでええやろ。あ、本体忘れたらあかんよ?そんでお前は……タブレットとスマホを忘れんよーに』
「……でも本丸って敵さんが入ってこないように結界とか張られてたり居場所を特定されないようにされていたりとか……」
『それはどっちの本丸もやってるよ。時間遡行軍に見つかったら厄介だかんねー……新しい本丸に転送するためのゲートが……馬小屋の隣くらいにあるんよ。まあ、そっち行くからそれまで待機ってことで』
「ち、ちょっと待って!詳しい話はわからないけどそれって審神者の力……霊力とか必要になってきたり……」
このことはちゃんと聞いておかないといけない。
転送ってものをするにしたって私の霊力が必要になると何日かかることか……現在だって歩けないほどなんだし
『そこんとこは問題なっしんぐー。霊力が強力……いや、高いとはいえ手入れとかやり過ぎて今ない感じっしょ?』
「う、うん……」
『……本当にないのな……ふむふむそれはそれでいい。んじゃ後でお邪魔させてもらいますー!』
一方的に切られると少しの会話でとんでもなく疲れた。
この人のしゃべり方、落ち着きがないから聞いているだけでも疲れてくるのだ。
長谷部は少しも動くことなくじっとしてくれていたが……腕が震えないなんてすごい。
「……いこっか」
長谷部「はい!」
今は引っ越しのことを考えよう。
引っ越しするならここからは離れるわけだけど……いいのかな。
前任との暖かい思い出がある人とかいるんじゃ、ないのかな。
そこだけが気になる。