第6章 お引っ越し計画
?「君に、できるのか」
「できるできないじゃない、するの。私はどんなことをしてでもみんなを幸せにする……もちろん貴方だって例外じゃないよ」
?「っ……傷が……」
勢いで腕を掴んでそこから霊力を流し込んでやる。強制的に。
顔や手に傷があるのはわかっていたので軽傷くらいなら私にだって治せるのだ。
「……傷は癒えた。今度はその心を癒してあげるから覚悟、しゅるんでしゅ…よ」
?「顔が真っ青だな……」
「ま、まだ霊力が回復してないの……霊力って全然溜まらないんだね……携帯の充電の方がよく溜まるよ……あと、重いので降りてください。この凶器も腰におさめてくださると嬉しいです」
きょとんとしたような表情になったかと思えば私の上から退いてくれた。
刀も一緒に離れてくれたのでひと安心、とはいかない。
さっきまで私を殺そうとしていたような人だ。
発言には気を付けないとグサリとやられる。
?「では、見させてもらうとしよう。新しい主は信用に足る存在なのかどうか」
「……楽しみにしててくださいね」
鶯丸「……鶯丸。それではな主」
部屋から出る彼。
鶯丸……え、な、名前教えてもらえた……。
教えてもらえたのがすっごく嬉しい!
けど……霊力が空寸前で血吐きそう。
そういえば乱ちゃんが去ってからどれくらい経ったのだろう。
集まるように言っておいて本人がいかなかったら失礼だ。
フラフラでも行かないと……フラフラでも……ふ、らふら……
「……無理だ」
起き上がれない。
怪我人見つけてすぐに手入ればかりしていたのが悪かったのだろう……でも、動けなくなってもみんなを癒すことができて私は幸せです。