第6章 お引っ越し計画
三日月さんはとても美しい人だった。
美しいと同時にとても儚くて触れたら消えてしまうんじゃないかと思えるほど……
美しいゆえに私は苦手、だった。
私が関わり合うことで壊れる……いなくなるような気がして、でもそれは間違いだった。
あの人はそんなに……弱くない。
私のお月様は弱くないのだ。
「ん……ッ…あぁ、また寝て…………う、うわぁッ…んぐっ!」
うっかり眠ってしまっていたのか目を開けると意味もわからず驚いてしまった。
?「そう騒ぐな。危うく切ってしまうところだった」
見たことのない人に馬乗りにされて口を押さえられた。
ピリピリと肌に感じる痛み……殺気。
寝起きでいきなりこれって……
?「殺すのは好きではない……騒がないか?」
笑ってはいるけど……目が笑ってない。
おとなしくしていた方がいいと判断した私は小さく頷いた。
すると手を離してくれたが代わりに顔の横にどすっと音を聞こえたかと思うと顔の横には銀色に光る刃……刀が座蒲団に刺さっていた。
音からして畳に刺さってるよこれ。
「……だ、れ……ですか。できれば名を…」
?「ん?名を告げる必要はあるのだろうか……そう怯えなくても、とって食いはしない」
殺意をもって刀を手にしているあなたに怯えない方がおかしいと思うのは私だけなのだろうか……。
この人は、前任にひどいことをされたのだろうか。
それか、私の行動が気に入らないだけなのか……
「あの、なぜこのようなことを……?」
?「審神者というのは……醜い存在だからな。俺達を物のように扱うのは構わない……だが、その物も人の姿を得て心があるんだ。物だからといって何をしたっていいというわけではない」
「……みんながみんな醜い存在ってわけではないと思いますよ。私は……なんとも言えませんが少なくとも貴方達を不幸にしようとか思ってません幸せにしようと思ってます……信じろとは言いませんが、殺すにしても今はやめてほしい。彼らの幸せのために私はまだなにもできてないから」
まっすぐに彼を見つめる。
信じてほしいと思うけど、そう簡単に信じてもらえるとは思ってないから……今後の行動で信じさせてやる。