第5章 短刀
乱「あるじさんは、こんなところでどうしたの?」
「あー、ちょっと休憩かな……あ、手入れ必要かな?軽傷なら……よ、四人でも頑張れる、かも」
乱「あるじさんの方が手入れ必要に思えるくらいなんだけど……ボクは大丈夫だし、みんな大丈夫なはずだよ」
「よかった……みんな、怪我とかないんだね」
いろんな意味で本当によかった。
ここでみんな軽傷だったなら手入れをするだけで私が……さっき、手入れ道具のこと聞いとけばよかった。
どこかにないのかな……手入れ道具。
乱「……あるじさん、本当に大丈夫?」
「だ、大丈夫……私にね霊力ってものがあるんだけどね……そ、それが少ないというか……コップで例えるならお茶が一滴残ってる程度だからしんどくって」
乱「それあまりよくないんじゃない……?」
「霊力が溜まるまではフラフラしてるかもね……」
一日寝てれば回復しそうだけど……休むわけにはいかない。
「乱ちゃん、ここを掃除するのは大変だからとりあえず、なにもせずに待機しててくれる?前田くん、秋田くん、平野くんも……できれば他の人たちにも一時保留という形で休んでもらえるよう言ってきてもらえる?」
乱「それはいいけど……」
前田「……っちょっと待っててくださいね!」
「えっ……ま、前田くん……?」
なにか思い出したのか前田くんは部屋から出ていってしまった。
き……嫌われたのだろうか。
そうだとするならすごくショック。
短刀……小さい子に嫌われるなんて、私って嫌われ体質でもあるのだろうか。
現世にいるときには同性にすっごく嫌われていた感があったし……泣きそう