第5章 短刀
「霊力が高くても、こんなに疲れてちゃ、意味ないな……」
貧血にも似た症状だからか意識がぼんやりするというか……考えがまとまらない。
そのまま畳の上に寝転んでみると少しは楽になれるのでほんの少しだけ休んでから動きを再開しようと思ったところで、とたとたと走っているような音が聞こえてきた。
一人、二人……三人……ん?
?「絶対こっちだって!」
?「あまり走らない方がいいのでは……」
?「手分けして探した方が早いと思います」
?「うわっ……ゆ、床が!」
お、おぉ……騒がしい。
よいしょ、と身を起こしてそっと廊下の方を見ると
?「あっ、あるじさんだ!」
「えっ……」
すぐそばまで来ていた金髪美少女に満面の笑みを向けられ、驚いてしまった。
初対面の子に笑いかけてもらえた……
?「主君、ですか……」
?「主さま……?」
まあ、一人だけ……なんだけど。
みんな小さいなぁ……まさか短刀のことを考えているだけで本人達がやって来るとは思わなかった。
「初めまして、審神者のなつみです……よろしくね?」
乱「よろしく。ボクは乱藤四郎」
「乱……ちゃんか、後ろの三人は……」
前田「……前田藤四郎と申します」
秋田「秋田藤四郎です……」
平野「平野藤四郎といいます」
一気に四人から名前を教えてもらえた……兄弟多いな。
乱ちゃんは普通にしているが残りの三人は……不安そうな目をしている。