第5章 短刀
『んで、だ。その本丸を綺麗にしたいがために連絡を寄越したんですのー?』
「……まあ」
『あー、無理無理。そこを何とかするならプロが必要!素人が何かしたって事態をより悪化するんよー?』
素人ができることは限られているのは納得だ。
部屋の惨状を考えても綺麗にするのは、できないことはないんだろうけど時間はかかりそうだ。
「みんなに休める場所を提供したいんです。人任せで情けない限りですが、どうすれば……」
『はぁぁぁぁぁ。しゃあない……可愛い娘のためですからね、僕が何とかしてあげます……上の人を脅し……お願いすれば解決法は見つかるでしょう』
「ほ、ほんとう?」
『ただし、ただでやるとは言いません。ちょっと採血させてくださいな……いつものように』
政府の人と一緒にいるとき、四回ほど血を採られたことがある。
私の霊力に対していろいろ調べたいことがあるからと言っていたが……その血をどうしたのかは聞いていない。
何かの役に立っているなら私も嬉しいが……検査に使っているはずなので用が済めば捨てられているだろう。
「わかりました。必要とあれば……」
『オーケーオーケー!そんじゃ解決法がまとまり次第、こっちから連絡するから……なにもせずじっとしてるんよ?もちのろん、刀剣男士様たちもね?』
「あ、あの審神者と刀剣男士が……」
『ん、どったの?』
「い、いえ!何にもありません!ではお願いしますね」
そう言ってこちらから通話を終わらせる。
私は何を聞こうとしているんだ。
そんなことしちゃ、ダメ……なんだと思う。
だからあの人の……石切丸さんの部屋にはいかない方が……
そ、そもそもこんな状態じゃ部屋なんてあってないようなものだし……っ
あのときされたことを思い出してしまった私は鼓動の早さに苦しくなって近くの部屋で休ませてもらうことにした。
お、思い出すな私……。
今は短刀達の名前を聞くことを考えていよう。