第5章 短刀
「わ、わわッ…っと……」
長谷部「だ、大丈夫ですか主!」
「大丈夫だけど……この本丸、綺麗にするのも一苦労だね……」
部屋から出たあとは見回るように、浴場や炊事場に行ったが全く掃除が進んでいない。
それどころか悪化しつつある……これ、政府の人に相談した方が絶対いいよね。
?「あーっ!疲れた……こんなんいつまでたっても終わるわけねえじゃん!」
?「口より手を動かせ……まあ、疲れたのは同意だな」
一つの部屋から声が聞こえてくるためにひょこっと、中を覗くと……いた。
小学生……ぎり、中学生くらいの男の子二人がいた。
声からして一人は大人だろうと思っていたが……
?「ん?あぁ……あんたか。初めましてだな」
?「審神者……」
歓迎されて、ないなこれ。
声の低い声は笑顔だが、本当に笑っているわけではなさそうだし、もう一人の子は…雰囲気からよく伝わる。
歓迎されてなくとも頑張ると決めたんだから……できることをやろう。
「長谷部、ちょっと彼らと話したいから……先に見て回ってくれる?」
長谷部「え……俺が、一人で……ですか」
すっごい、嫌そう……。
私と一緒だからなにも言わなかったんだね……。
「……じ、状況報告とか聞きたいから……お願い」
長谷部「…………わかりました。では後程……」
しょんぼりとした背中を見送りながら、一瞬散歩はしないと言われてショックを受ける柴犬が見えた気がしたが気のせいだろう。
さて、と……