第5章 短刀
五虎退「遅くなってしまいました……あ、あるじさま!失礼しま……ぁ」
「う、うぅッ…ぬ、脱ぐ、なぁッ…」
にっこり「脱がそうとしているのは、君だろう……ッ…」
「自分でボタンに手をかけてるのに私のせいに、ッ…し、ないでください」
私は起き上がって青江さんの両手首を掴みこれ以上ボタンを外させないよう頑張って止めていた。
第三ボタンまで外れてるから目のやり場に困るがこのまま脱がれるよりかはましだ。
だけど、男女の力の差はもちろん、体調不良の私がここまで止められているのはすごいものだと褒めてほしい
五虎退「あ、あるじさま……」
「包帯ッ…じゃないみたいだね。でも包帯代わりにはなりそうだねありがとう……悪いのだけど、この体調不良を訴えてる半脱げの青江さんをどこかの部屋で休ませてあげて?」
五虎退くんはなにか、白くて長い布……マフラーのようなものを持ってきてくれたようだった。
青江さんも子供の前では我慢してくれたのかつらそうにしながらも五虎退くんに連れられ部屋を出ていく。
な、何なんだ一体。
「危ない……娘、か」
なにかをした記憶はないのだがそう思われる何かを知らないうちにしてしまっているのかもしれない。
本当によくわからないが……。
とりあえず白い……襟巻きを首に巻いておく。
これで隠せはしたが……これから長谷部が来るかと思うと、とてつもなくしんどい。
なにも起こらないよう願っておこう。