第5章 短刀
「やっぱり大きいよね……そんないいものでもないんだけど」
にっかり「ん?あぁ……大きい力はいいものだと思うよ。柔らかく包み込んでくれる優しさは心地いいと言ってるのを聞いたからね」
「………………力?優しさ……?」
この人、何をいっているのだろう。
私の胸に力?優しさ?え?
胸は男の故郷だとかどこかで耳にしたことがあるが優しさ?ん?
にっかり「君の人柄についての話だよ」
人柄……大きな霊力に、みんなを包み込むような、優しさ……
どういうことかわかると勘違いしたことがたまらず恥ずかしくなって文句の一つすら言えなくなると私は布団をかぶり直して布団のなかで膝を抱えた。
は、恥ずかしい……。
いろんな感情をぶつけるように目元の下まで布団を下げてじーっと青江さんを見つめてやる。
にっかり「ごめんごめん、リラックスさせよう、と……ッ…」
「リラックスするどころかどことなくバカにされたように感じられました……恥ずかしくて泣きそうかもです」
これくらいで泣きはしないが勘違いしたときってなぜだかすごく恥ずかしくなる。
その内容によって恥ずかしさも違うが……
にっこり「っ……はは、これは本当に危険な娘だ……」
「危険……?って、な、何で脱いでッ…わ、わわッ…」
シャツのボタンを上から一つ二つと外していく姿を見ると、一瞬石切丸さんを思い出してしまった。
今はそんな場合ではない、早く止めないと!