第5章 短刀
「君も、撫でていいかな?」
五虎退「え……は、はい」
彼の頭を撫でようとすると小さく震えているために、そっと優しく頭を撫でてみる。
この子の髪、ふわふわしてる。
頭を撫でながらちらりと身体を見てみると服などが破けてたり擦り傷があった。
無傷ではなさそうだね……
「特別な手入れをするからじっとしていてね」
手を握って霊力を流し込む。
傷などはすぐに癒えて手入れも終えるのだが……
五虎退「わぁ……ありがとうございます……あるじさまっ……顔が真っ青ですッ…」
「ご、ごめんね……思っていたよりも……霊力、ない……みたい」
あの口づけのとき、霊力を吸いとられているのはわかっていた。
だけど、まさか……軽傷の子、一人治すので限界なんて……
五虎退「あるじさま……首に怪我を……」
「え……ぁッ…ッ…」
そ、そうだった。
ショタに見られても意味を知らないからセーフだとしても……ここに誰が来るかわからない。
長谷部は絶対来る。
この痕を見られないためには……
「五虎退くん、大事なお願いがあります」
五虎退「は、はい!」
部屋から出て誰かに会うリスクを侵すより、お願いして何かを持ってきてもらう方がいい。
……動けそうにないし