第5章 短刀
「こっちおいで……?その、虎くんって子も一緒に」
優しく笑いかけるとどうするか悩んでいたが虎くんの方は先に私のところに来てくれた。
小さいとはいえ虎、なんだよね……虎って猫科だったはずだから……
まずは頭を撫でると正解だったようで擦り寄ってくれた。
あれ、猫って頭から触ったら怒るんじゃなかったかな?まあ、嫌がってないからいいけど。
でもなんで虎……?
そもそも本当に虎なのだろうか。見た目が虎柄のただのねこだったりしないのだろうか。
五退虎「っ……お邪魔、します」
私が虎くんと戯れているのを見て少しは警戒を解いてくれたのかゆっくりと近づいてそばに座ってくれた。
一期一振さんに話を聞いていても実際に会ってみないことにはわからないものだからね……警戒しながらも頑張ろうとしてくれる姿を見ているとほっとしてしまう。
泣き叫ばれたりしたら、とか考えていたから意外としっかりしていることに本気で安心してます。
慰めたりするの得意じゃないからね……。