第1章 及川徹の幼馴染
......ワカレタ?
夢乃、別れたの?
さっきってことは今、 夢乃はフリー。
「...私、お手洗い行ってくるね。」
そう言って 夢乃が席を立つ。
「....................。」
頭をフル回転させて考えて考えた。
ベシベシベシベシベシッ____
隣から岩ちゃんにつつかれる。
「ちょっとちょっと!何すんのさ岩ちゃん!!」
「...何じゃねぇだろウジ川。さっさと告っちまえよ、いつまでもウジウジウジウジと。さっきから男の話になるたびイライラしやがって。」
そうだ、岩ちゃんは知ってるんだよな。
俺が 夢乃のことどう思ってるかも、俺がまだ小さい時どんなことがあったかも。
「.....ってことはやっぱり及川先輩、 立花さんのことが好きなんですね。」
国見ちゃんがニヤリと笑う。
「だったらなにー。......ってことだから金田一。くれぐれも 夢乃に告白とかしないでよ?」
金田一がそんなことするとは思っていないが一応釘を刺しておく。
「..はい。」
「おら、今しかねーだろ。ボケっとしてっとまた誰かに持ってかれるぞ。」
「...確かにそうなんだけどさー。今更なんて言ったらいいと思う?親同士仲いいし、物心ついた時から一緒にいたんだよ?」
「そんなこと俺が知るかよ。」
「ただいまー!」
夢乃が帰ってくる。
「...オカエリ。」
「...どうしたの徹ちゃん、表情かたーい。おもしろーい。あははははー。」
さっき岩ちゃんに言われたことを思い出して変に意識してしまう。
...っていうか、 夢乃本当にシラフなのか疑いたくなるテンションだ。
「なんの話ししてたの?お姉さんに内緒話とかやめてよー。」
「....別に大した話じゃないよ。」
「あっ、わかったー!徹ちゃんの初恋の話でしょ。」
二章につづく