第4章 ゴールデンウィークと実家とワタシ
公園に向かう途中
私の居なかった数年間のうちに
あったはずの道がなくなり
無かったはずの道が増えたりで
辿り着くまでに予想の倍くらい
時間が掛かった。
「あ! 鉄朗! ほら!! 研磨くん居たよ!!」
「研磨!!」
「あ、クロ……」
研磨くんの隣に
見慣れない……中学生?が居た。
「じゃ、またね……翔陽……」
「お、おう……」
研磨くんはその子に手を振り
私たちのもとへやって来た。
「たくっ、勝手にフラフラすんな、知らない土地で……」
「ごめん……」
「ヒカリが居たからいいものを!」
「もぉ、見つかったからいいじゃん! 研磨くんだって反省してるんだし!!」
「お前は研磨に甘いんだよ!」
「鉄朗だって!! ……お母さんからだ……」
ポケットに入れてあったスマホが
母からの着信を告げた。