第4章 ゴールデンウィークと実家とワタシ
小学6年の夏、
父の転勤が急に決まった。
12年間住み慣れた宮城を離れ
私達家族は
新たな土地、東京に移り住んだ。
夏休み前の最後の週末
父の運転する車に乗って
新しい家に到着した。
住宅街の1画。
引越しのトラックは
まだ着いていなかった。
「ヒカリ、ここが新しいお家だぞー!」
嬉しそうに話す父の隣で
慣れない土地でやっていけるのかと
不安でいっぱいだった。
引越しのトラックが到着してから
「ご近所さんに挨拶行きましょ♪」
と、母がほぼ無理矢理に
私を連れ出した。
きっと
不安な顔していた私の気を紛らわそうと
母なりの気遣いだったのだろう。