第4章 ゴールデンウィークと実家とワタシ
現在20時。
夜行バスは23時東京発。
実家に持ってくお土産見たりするし
少し早めに出ようと
荷物の最終確認をしてると
携帯が着信を告げた。
「もしもし? 鉄朗、どうしたの?」
「あ、悪ぃ……声、聴きたくて……」
あれ?
元気ない?
「大丈夫? 元気無いみたいだけど……」
「いや、俺はいつも元気だぞ?」
後ろの方が何やら騒がしい。
「まだ学校?」
「いや、今帰ってっとこ」
「そっか、私はそろそろ出るとこだよー、お土産買わなきゃいけないし♪」
「マジで、気をつけろよ?」
「それ、さっきお母さんにも言われた! 鉄朗お母さんみたい♪」
「ヒカリ……」
「ん……?」
「愛してる……」
ワントーン下がった声に
思わずビクッとなる。
鉄朗の背後では
「クロさんが!!!」
とか騒がしさが増している。
声的に山本くんかな……。
「鉄朗、私も愛してるよ♪」
この場に居ないのが辛い。
近いのに遠い。
あれ?
もう、なんで泣いてんの……私。