第4章 ゴールデンウィークと実家とワタシ
そんなこんなで
連休前、最後の授業が終わると
私は急いで帰宅した。
帰り際
奈々に
「お土産忘れないでねー♪」
と念を押された。
帰宅後、
帰省用の大きなキャリーバッグを引っ張り出し
下着やら着替えやらを詰め込んだ。
「あれー? 歯磨きとかどうしたっけー?」
洗面台の下の収納を覗き
トラベルセットを探すが見当たらない。
「置いてきちゃったんだっけ?」
色んなトコを探すが
どうにも見つけられないので
とりあえず母に電話する。
「あ、お母さん? あのさ、年末帰った時歯磨きとかどしたっけ?」
「あんた慌てて帰るから、こっちに置きっぱなしだよ?」
「えー……あ、そう言えばそうかも!! ありがと!」
「明日朝は何時に着くの?」
「7時には仙台駅着く予定。ズレるようならまた連絡する」
「気を付けるのよ?」
「もー、お母さんまで鉄朗みたいなこと言うー」
他愛のない会話は
その後数10分続いた。
明日には会えるのにな……。