第2章 スポーツ男子とワタシ
「んぅ……」
「眠り姫のお目覚めだな」
ニシシと笑う彼は
制服ではなく練習着姿だった。
「あれ? 私……ココ……部室……?」
ボーッとする頭の中で
最後の記憶を必死に探す。
確か、 昼休み
体育館裏で……
過ぎたことは仕方ないとして、
あれ?
午後……授業……?
「……私、また寝ちゃって……」
「相変わらず気持ち良さそうだったぞ」
そう言ってスマホに写る
私の寝顔を見せてきた。
いつの間にかたくさんあったはずの
鉄朗のお昼ご飯は無くなっていた。
──ぐうぅぅ、ギュルギュルゥ──
私のお腹が空腹を知らせる。
「腹が減っては戦は出来ぬ!」
お昼に買ったサンドイッチを
そう言って、鉄朗が渡してくれた。
私はそれを
ゆっくりと味わった。