第2章 スポーツ男子とワタシ
夜久さんはまるで
蛇に睨まれた蛙のように
その場に動けなくなっている。
「鉄朗も購買?」
「んぁ? まぁな〜」
相変わらずの黒い笑顔で
夜久さんを見ている。
否、睨んでいる。
「やっくーん? 何してんのー?」
「ひっ!? いや、俺は……失礼します!!!」
夜久さんは回れ右して
走って行ってしまった。
「鉄朗、どしたの? なんかあった……?」
私は鉄朗が何故怒っているのかわからなかった。
夜久さん、朝練でなんかしちゃったのかな……??
「飯買って来るからちょっと待ってろ」
今度は普通の笑顔に戻って
私のお団子を潰さないように
ポンポンしてくれた。