第14章 クロ猫彼氏とボク
入浴を済ませ、部屋に戻る途中
黒尾さんに呼び止められた。
「ちょっといいか?」
「えぇ……はい、まぁ……」
黒尾さんの後に続き
人気のない方へ進む。
結局、体育館へ続く渡り廊下まで行き
黒尾さんの反応を待つ。
「どうしました?」
「いや、なんつぅか……」
頭をかきながら言葉を濁す黒尾さん。
僕の方から仕掛けてみる。
「ヒカリさんの事……ですか?」
黒尾さんは動きを止め
ひと睨みした後ため息をついた。
「はぁ……、お前ら、どう言う関係な訳?」
「どうって言われても……、家が隣同士ってだけですよ? 昔はよく一緒に居ましたけど、ヒカリさんが引越してからは余り……。ゴールデンウィークの試合の時に久しぶりに会いましたからね」
「へぇ……」
黒尾さんは納得していない様子。
僕は正直に言ったつもりだけどな……。