第13章 未練タラタラなオレ
日中、ヒカリはいつもと変わらず
一生懸命にマネージャーの仕事をこなしていた。
今朝の出来事は
多分気付いていない。
相変わらず俺たちの間には
微妙な空気が流れ
部員たちもかなり気を使っている。
どうにかしなきゃいけない訳だが
俺にはどうする事も出来ない。
「なぁ、研磨……俺、どうしたらいい……」
休憩中、隣の研磨にボヤいた。
研磨は面倒くさそうに
「素直になればいいのに……」
なんて言うが
素直になって、気持ちを伝えても
ヒカリを更に困らせてしまう。
臆病なくせに
未練タラタラな俺は
もう数えられないほど
ため息をついている。