第12章 夏休みとワタシ
「部長さんと、なんかあったんですか……?」
「…………」
前回の合宿の時もそうだった。
2人は視線を合わせるどころか
お互い1歩引いて見えた。
わかりきった意地の悪い質問。
だけど、
僕はヒカリさんを独り占めしたかった。
「もしかして、こないだのアレが原因ですか……?」
ピクリと反応するが
ヒカリさんは何も答えない。
「ヒカリさっ」
「ねーねー! そこの! 烏野の! ……眼鏡の!」
ヒカリさんに触れようとした瞬間
背後から声を掛けられた。
ヒカリさんは
そのままどこかへ行ってしまった。
僕は諦めて
後ろを振り返った。