第10章 秘密とボク
「ヒカリさん、好きです。ずっと前から、ずっと、好きでした」
踊り場の小さな窓から
月明かりが僕らを照らす。
「蛍ちゃん、なに……言ってんの……?」
困惑した顔の彼女。
そりゃそうだよね。
彼氏居るのに
告白してくるなんて、しかもずっととか。
ホントダサいな……。
「ヒカリさん、好きです」
「蛍ちゃっ……んぅっ!!!」
僕はそのまま彼女に口付けた。
目を見開き、何が起こったのか
分からないという顔。
僕はお構い無しに
そのまま彼女の唇を啄む。
ヒカリさんは細い腕で
僕を押し返そうと抵抗するけど
そんなの無意味。
僕の胸にある両手を掴み
頭の上に持っていく。
「蛍ちゃん、やめて……」
涙で頬を濡らしながら懇願する。
そんなの逆効果なのに────。