第10章 秘密とボク
「ヒカリさん!!」
「ひっっっ!!?」
廊下を1人歩くヒカリさんを見つけたので
つい、声を掛けてしまった。
少々驚かせてしまった様子で
彼女がビクビクと振り返る。
「……け、蛍ちゃん!! もぉ、びっくりさせないでよー! 心臓止まるかと思ったー」
「ぁ、スミマセン……」
涙の浮かぶ瞳で見上げてくる彼女は
息を呑むほどに美しかった。
「もしかして、オバケ……ですか?」
「…………ぅん……」
幼い頃
近所でやっていた夏祭りの帰り道
提灯を持った人を見て
オバケが居るって泣いていたっけ。
「僕が、一緒に居てあげましょうか?」
「いいの……?」
嬉しそうに見上げてくる彼女に
ドキッとさせれる。