第6章 ★薫の秘め事(~P83)
気がつけば夕方になっていたーー
一体何度イったのかわからない
薫は意識が朦朧とするなか、奏月に抱きしめられていた
「薫さん、とても可愛かったです」
ちゅっとおでこにキスをされ、薫ははにかむ
薫からもしてあげたかったがそんな体力は残っていなかった
「薫さん、お風呂をお借りして一緒に入りましょう」
「えっ、うちには混浴なんて…」
「貸し切りにする許可もいただいてます。ただし、湯を汚す事は禁止されてますが」
奏月はにこりと笑った
そこまで菊に許可をもらっているとは、抜かり無い人だ
薫も奏月に惚れていると気づかれていたのだろうか
「さぁ、行きましょう」
奏月に着物を着せられ、更に横抱きにされる
このまま屋敷の中を歩かれれば誰かに見られてしまう
薫は自分で歩くと何度もお願いしたが
「他人のことなんて気にしません」
そう言う奏月に無理矢理連れて行かれる
結局誰にも会うことなくお風呂場へ到着し、掃除中の札を掲げると貸し切り状態になった
本家には住み込みで働く使用人も多いため、お風呂は広い
奏月は薫の体をしっかり洗い流すと再び抱えて湯船に浸かった
もうすぐ訪れる夜のため沸かされたばかりだろう
少し熱くてのぼせそうだった
奏月に後ろから抱きしめられ、薫はこっそり微笑む