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交わりの祠【R18】

第1章 それは責務


翌日、さらにその翌日と亀裂は大きくなり

手のひら程の長さだったものが三十センチ程にまで広がっていた



「おばあ様…このままじゃ」



焦る鈴音に菊は再び提案した



「北の様子を伺いましょう。早速文を出してちょうだい」


「かしこまりました」



鈴音は文を書くと黒闇の当主へと送る


届けたのは馬で一番の速さを誇る男だった


北の領土まで距離があったが、翌日の夕方には返事と共に戻る



「……北でも同じ事象が起きているようです」



思わず文を握り潰してしまったが、菊は咎めなかった



「やはり、黄泉で何かが起こっているのですね。これ以上被害を増やす前に、黒闇家との協力が必要でしょう」


「黒闇家と…ですか?」


「えぇ。歴史書に書いてあります。両家が協力し合うことで互いの力を増すことができるのです。祠に亀裂が入るのを防ぐことだってできるでしょう」


「ほ、本当ですか!?」


「ですが、相手が協力してくれるかどうか。またしても文を送る必要がありますね」



白霧家は使いを出すとその返事を待つ


その間に菊は黒闇家との協力方法を教えてくれた



「両家の代表である者にはその体に印が刻まれています。そこに互いが触れるだけです」


「え?それだけですか?」



鈴音はポカンとしてしまう


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