第6章 ★薫の秘め事(~P83)
「やれやれ。困ったお方だ」
奏月は立ち上がると恭子の腕を掴む
そしてそのまま廊下へ押し出すと汚物を見るかのような視線を恭子へ向けた
「…奏月…様?」
「残念ながら、貴女では役不足です。私をここまで興奮させることは出来ないでしょう」
言われて恭子は奏月の中心を見る
そこは着物の上からでもわかるほど膨れ上がっていた
「そ、そんな…こんなこと、許されるわけが…」
「菊様には許可を頂いております。何か不満があれば菊様に、との仰せでした」
「菊様が…!?」
恭子は目を見開く
驚いたのは薫も同じだった
「以上です。あぁ、そうですね。ひとつ忠告をしましょう」
「…えっ?」
「貴女から何人もの男の匂いがします。黒闇家の者は鼻が利きますので、そのご様子では黒闇家の男を誰一人として落とせないでしょう」
「なっ…!?」
恭子の顔が真っ赤に染まる
最近まで男をむさぼっていた事を肯定しているようだった
「では、最後に。二度とこの部屋に近寄らぬようお願いいたします」
そう言って奏月はピシャリと襖を閉める
薫はポカンとしてしまった
温厚そうに見えた奏月からは想像も付かない程の冷たい声だったのだ
「とんだ邪魔が入りましたね」
薫へと向かい直った奏月は笑みを浮かべていた