第6章 ★薫の秘め事(~P83)
ダメ…このままでは…
薫は奏月の肩をペチペチと叩く
しかし奏月は胸の飾りを咥えたまま離そうとしない
「奏月様?」
再び声がかかる
甘えているような、完璧に計算された声だ
「入りますね、奏月様」
そんな声と同時に襖が開けられる
やはり廊下にいたのは恭子だった
その目は驚きで見開かれている
「なっ…奏月様!?」
薫に覆い被さり、胸にしゃぶりつく奏月の姿を見て恭子は驚きの声をあげた
…見られた
薫は恭子から顔を反らす
どんなに抵抗しても奏月が止まる様子は無い
「奏月様!?一体何をされてるんですか!」
恭子は奏月に駆け寄ると薫から引き剥がそうと肩を掴む
だがびくともしなかった
ちゅぱっ…ぬちゃっ…
卑猥な音が響き、恭子はたまらず悲鳴を上げた
それを聞いてやっと奏月が止まる
顔を上げ、初めて視線が恭子を捉えた
「おや、貴女は…」
奏月は口元についた唾液を手の甲で拭う
「き、恭子です!奏月様、何故そんな女なんかに…」
「あぁ、貴女でしたか。二度とこの部屋に近寄らぬよう、何度も申し上げた筈ですが」
「何故です!?何故私はダメでその女なんですか!?」
恭子は声を荒げる
と同時に奏月の視線が鋭いものに変わっていた