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交わりの祠【R18】

第6章 ★薫の秘め事(~P83)




「黒闇様、お待たせしました」



客間を訪れると、そこに先ほどの男がいた


こちらを振り向くと困ったように笑う



「殆どが黒闇の姓だ。よかったら私の事は奏月とお呼び下さい」


「そう…げつ様?」


「様は付けないでください。それに、貴女のお名前を伺っても?」


「は、はい。私は薫と申します」


「薫さん、ですか。とても素敵なお名前ですね」



ドクン、とまたしても心臓が高鳴った



…この人、なんて素敵な声をしているの



薫は桶を置くと胸を押さえる


奏月は見目麗しい姿をしている


だが、更にその声は素敵だ



…私、このままだとおかしくなりそう


薫は頭を振って奏月を見上げる



「お湯はご自由にお使いください。それから着替えもご用意いたしましたので…」


「あぁ。できれば貴女に拭いて頂きたいのですが、お願いできないでしょうか」



言葉を遮られ薫は固まる


今奏月が言ったことが理解出来なかった


…私に…拭いて欲しい?


奏月の濡れた箇所はお腹から足


そこを拭くだなんて!


薫は目を見開く


だが、奏月はにっこりと笑っていた



「このままでは風邪を引いてしまいそうです。ダメでしょうか、薫さん?」


「……っ!」



名前を呼ばれるとまたしても胸が苦しくなった


もう逃げられない




「私でよければ」



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