第6章 ★薫の秘め事(~P83)
黒闇家の二人
当主である八千代が白霧家を去っても彼らはここに残っていた
両家の交流が目的らしい
今まであまり交流がなかったが、別に歪みあっているわけではない
交流の必要が無かったのだ
本家が交流を望めば、反対する者はいなかった
そのため、残った二人は好意的に受け止められている
…特に女性に
薫が二人を初めて見たのは黒闇家の三人がここを訪れた日で、少し離れた場所からの確認だった
多くの女性が集まっていて何だろうと思い覗いたのだ
そこには女性に囲まれた二人がいた
一人は背が高く、大人びていた
真っ直ぐな髪で顔を半分隠していたが、それが何だか色っぽい
もう一人は逆に背が低く、子供っぽかった
「おねぇさんたち、皆可愛いね!」
なんて声から想像するに、やはり子供だ
薫はその集団から離れると直ぐに仕事に戻ったのだった
鋭い視線が薫に狙いを定めていたとは知らずにーー