第5章 官能的な仕事
ぽちゃんーー
そんな音がして鈴音は目を覚ます
「やっと起きたか」
背後から声がして八千代に後ろから抱きしめられている事に気づく
「八千代さん…ここは?」
二人は湯船の中にいた
壁も浴槽も檜で出来たお風呂だ
とても香りが良く癒される
そんなに広くはなく、二人で入るのが丁度いいくらいだった
「椿の離れにある風呂だ」
「椿の離れですか。一体どうやって入ったんですか?」
「なんだ。覚えてないのか。ちゃんとお前に開けて貰ったんだがな」
「そう、だったんですか。すみません」
ここにいるということは八千代が運んでくれたんだと察しがつく
それに今は体のベタベタは無くなり、自分を包む八千代の腕とお湯が心地よい
「八千代さん…あの、結界の強化はうまくいったんですよね?」
鈴音は振り向いて八千代と向かい合う
湯を浴びた八千代はやはり色っぽかった
「上手くいった。それは一緒に見届けただろ」
「す、すみません。なんか記憶が曖昧で」
鈴音が思い出せるのは乱れた自分と、自分を激しく突き上げる八千代の事だけだ
…やっぱり私、桜楼巫女としての自覚がまだまだ無いようね