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交わりの祠【R18】

第1章 それは責務


宴が進み、挨拶回りが終わると鈴音は自室に戻ろうと廊下を進んでいた


そんな時


「鈴音様。先代がお呼びです」



薫から伝言を受け、鈴音は仕方なく先代の元へ向かった



「菊様。失礼します」


「入りなさい」



しわがれた声に促され、襖を開ける


そこには先代の桜楼巫女、菊しかいなかった



菊は鈴音の祖母であり、つい三ヶ月前まで祠を護る任に就いていた


本来、菊の跡を継ぐのは鈴音の母親の予定だったが、鈴音が幼い頃に病気で亡くなっている



「お呼びでしょうか、菊様」



正座をし、深々と頭を下げれば菊は小さく笑った



「そんなにかしこまらなくていいわ。今日は鈴音の誕生日でしょう。おめでとう」


「ありがとうございます、おばあ様」



親しみを込めておばあ様と呼べば、今度は満足そうに笑う


だが、すぐにそれは険しい表情へと変わった



「…鈴音。どうかしら、桜楼巫女の任は」


「現時点では問題なくやれております」


「…そう」



安心させようと思って即答したが、菊の表情は硬いままだ



「おばあ様?何かあったのですか?」


「あぁ…ちょっと気になってね。本土での戦が激化しているらしいのよ」


「そう、なんですか」



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