第5章 官能的な仕事
拍手が静まったところで菊が説明した
「これからは二つの祠をこの二人に回って頂きます。共やお付きは不要です。ですが、二人で結界の強化を行うことで更なる強固な強化が望めるでしょう」
お披露目、といってもそれで終了だった
ただ八千代を皆に見せるための場だったらしい
「では早速行きなさい」
「はい、おばあ様」
皆に挨拶すると鈴音と八千代は手を取り合い
そのまま二人で祠へと向かった
道中、誰もいない山道を登りながら鈴音は八千代を見上げる
「なんだよ」
「あ、すみません。ただ、八千代さんとの事を皆に直ぐに言えてよかったなぁと思いまして」
「そうか」
「はい。だって、八千代さんてば素敵ですから、他の女性に狙われてしまいそうで…」
鈴音は照れたように、そして困ったように笑う
惚れてるからではない
単純に八千代を素敵だと思っている
「お前以外目に入らないけどな。ただ、ここの領地は女が多いとは感じたな」
「そうです。白霧家では圧倒的に女性が多く産まれるので男性は少ないんです」
「ならうちは逆だな。男が多くて女が少ない。今度、うちの余ってる男たちをこっちに連れてくるのもいいな」
「いいですね。きっと皆も交流したいと思っているはずです」
そんな話をしていると祠が姿を現す