第5章 官能的な仕事
自分の部屋はあるが、離れを貰えるとは特別な気分になる
さっそく中に入ってみると、一階は物置のようで左右に棚が並んでいる
背後では勝手に鍵がかかる音がした
それは無視して目の前の階段を上ると畳が敷かれた部屋が鈴音を迎えた
そして、そこには人がいて鈴音は息を飲む
恋しくて、たった二日離れただけで胸が苦しくなるほど焦がれている人
「八千代さん…」
驚きとともに固まる
そして夢でも見てるのではないかと疑った
「おいおい。俺がいたらまずかったか?」
八千代がニヤリと笑う
声を聞いて鈴音は首を横に振った
「ほ、本物ですよね?」
「そうだけど」
「夢じゃないんですよね?」
「あぁ」
「…っ八千代さん!!」
鈴音は八千代の胸に飛び込む
八千代は力強く受け止めてくれた
「嬉しい…会いたかったです」
「俺も」
顎を持ち上げられ、唇が重なる
角度を変えて重なる唇は熱を持ち
すぐに息も熱を帯びる
「んっ…」
侵入してきた舌が口内を犯し鈴音も応えるように舌を絡める
このまま抱いて欲しい
そんな欲が生まれた時、八千代は鈴音を引き剥がす
「や、八千代さん?」
「悪い。今まだお前を抱くわけにはいかない。仕事できたからな」
「あっ…」