第4章 交わりの祠
交わるとは肉体的な行為を意味しており
印の無い者同士が交わっても意味は無い
そして、それは体の相性も重要だと言える
基本的には昔から当事者の相性は良いとされていた
それは互いが互いを高めあえる存在であり、魔力のレベルバランスが良いからだ
「私の時は結婚した後だったのよね…」
菊が呟く
菊は親の決めた相手と結婚を余儀なくされた
鈴音の祖父である
祖父は優しく、すぐに家族として順調に新婚生活は始まった
だが、家族愛はあっても異性に対する愛は無かったという
結婚から三年後、菊は魔力の減少に悩んでいた
そこで菊は先代に相談し、同じ悩みを抱えた黒闇家の当主に会うことになったのだ
相手も既婚者
しかし、出会った二人には愛が芽生えるのはよくある事だった
互いを求め交わる事から、いつしか交わる事で魔力が増すようになっていた
しかし、二人には家族がある
結ばれることは無かったが、忍びで何度も逢瀬を重ねたのだという
結婚後の交わりは歴代の中でも当然のようにあった
そのため、この交わりに関しては歴史書に残さない事がルールになっている
そして、<交わりの可能性>があると事前に後世に伝えるのは禁止だった
何も知らずに惹かれ合うことが重要だと言われているからだ