第4章 交わりの祠
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八千代と離れた鈴音は自分の家がある村へと帰還する
鈴音が帰ってきたのを見て誰もが喜びの声を上げた
「鈴音様!お帰りなさいませ!」
「鈴音、一体こんな時間までどこへ!?」
鈴音を心配した声もあがる
遅くなり、申し訳ないと反省した
鈴音が居なければ結界を完全に強化出来る者はいない
皆が心配になるのは当然だろう
八千代といる間、自分が桜楼巫女であることを忘れていた
私、ただの女だった…
それが良いことなのか悪いことなのかわからない
八千代と離れる間際、淋しがったりして八千代はどう思っただろうか
自分の感情を優先させるダメな奴だと思われたかもしれない
そう思うと気が滅入る
またしても<次>があるのか不安になっていた
「鈴音様、先代がお呼びです」
薫に声をかけられ、鈴音はそのままの足で菊の元へ向かった
ドキドキしながら菊に頭を下げる
「おばあ様、ただいま戻りました」
やや間があって菊が口を開く
「お帰りなさい。どうだった?」
どう、と聞かれて鈴音は回答に悩む
「えっと、八千…じゃなくて、相手の方の印には触れてきました。ですが、力が増したとは感じません」
そう、力に変化は見られないのだ