第3章 印の力
「ところでお前、何で急に欲情したんだ」
「なっ!?」
真顔で尋ねられ鈴音は言葉を失う
「まさか俺に一目惚れして抱いて欲しくなったわけ?」
「ち、違いますよ!八千代さんの印のせいです!」
「印?」
「そうです!印に触れた途端…体が熱くなって、それからその…八千代さんに触ってもらって…嬉しいって、感じちゃったんです」
語尾は弱々しく本音を語ると八千代はため息を吐く
「なにそれ。誘われてる気分になる」
「ち、違います!八千代さん、どれだけ体力あるんですか!」
「鬼の血を引いてるからな。お前ら白霧家とは体の作りから体力まで全然違うんだよ」
「そ、そんな…」
八千代の見た目からは鬼の要素は見当たらない
だが、本人が言うということはきっと事実なのだろう
「にしても印か。俺はまだ触れて無かったな」
「そ、そうでしたね」
交わっている最中、何度も胸は触られた
しかし、唇が印に触れる事はなかった
「それじゃ早速」
「ま、待ってくだ…」
鈴音が止めるのを聞かず、八千代は鈴音の左胸にある印に唇をあてる
その瞬間ーー
「くっ…!」
八千代が驚いたように後ずさる
「八千代さん…?」
「…はっ。なるほど。お前が言ってることも…あながち間違いじゃねぇな」
「えっ?」
目の前の八千代自身が大きさと太さを増し、反り返ったのを見て鈴音は言葉を失った