第3章 印の力
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鈴音はゆっくりと目を覚ます
どうやら意識を失っていたみたいだ
すぐ目の前では八千代が同じように倒れていた
そして瞬時に思い出す
あんなに乱れた自分を…
「わ、私ってば…」
衣類を拾おうと体を起こしたが、腰がずきずきと痛み、体はダルかった
そのわずかな物音で八千代が目を覚ます
「あぁ、起きたか」
八千代は体に何の影響も無いようで、起き上がるとあくびをした
慌てて体を隠すと八千代はニヤリと笑う
「今さら隠してどうするんだよ。もう全部見たぜ」
「い、言わないでください!」
鈴音は顔が赤くなるのを感じた
確かに全部見られたのだが、改めて冷静になってみると恥ずかしい
「水でも浴びるか」
「えっ、きゃっ!」
衣類を奪われると横抱きにされる
鈴音も八千代も裸のままだった
「八千代さん、どこへ…」
「この社の裏だ。禊をするための池がある」
鈴音が動けないとわかって抱えてくれてるのだろうか
恥ずかしいのに少し嬉しい
「ここだ」
それは本当にすぐそこにあった
すっかり夜もふけており、満月が池を照らしている
「あ、あの…もう下ろしてくれても」
鈴音はそう言ったが、八千代は鈴音を抱えたまま水に浸かった