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交わりの祠【R18】

第14章 龍の巫女




舞が続く


鈴音の舞台は時間にして十分



一人で踊り続けるには長い気がしたが、気がつけばあっという間に時間が過ぎていた




床に膝を付き、頭を垂れる


あとは龍に扮した帳が現れるのを待つ


予定では直ぐ現れるはずだったが、帳が姿を見せる気配はない


一体どうしたのだろう…


顔を上げる分けにもいかず、鈴音が不安にかられていると


突如観客がざわめきだす



「見事な舞であった。巫女よ」



えっ!?


驚いた鈴音は弾かれたように顔を上げる


横を見れば、舞台袖から現れたのは帳よりも体格の良い男だった


顔は龍の仮面を付けており、口元しか見えない


だがすぐにわかった


それが誰かを理解したのは鈴音だけではない


その場にいた者全員だ



「八千…」



その名を呼ぼうとしたが、唇に人差し指をあてられてしまう



何故八千代さんが…?



混乱する鈴音に八千代は続けた



「これ程美しい巫女の舞を見るのは楽しみだが、年に一度とは淋しいことを言う」


「えっ…」



八千代はニヤリと笑った



「巫女の暮らすこの村を荒らすのはもったいない。巫女よ、我が妻となりその命尽きるまで私の為に舞うと誓うのだ」



鈴音は八千代の視線に射ぬかれる


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